2007.02.14 (Wed)
はじめてのえほん
妙なタイトルに驚かれるかもしれませんが、この歳になって恐らく自分のお金では初めて絵本を買ってみました。
そのタイトルはといいますと・・・
「バーバ・ヤガー」です。(笑)
ご存知「展覧会の絵」の9曲目を飾る超有名曲の標題でもありますが、ネットで何となく検索してみたところ、この絵本の表紙に一目ぼれ。在庫僅少ということで即、紀伊国屋本店で買ってきました。

↑表紙 強烈なインパクトに一目惚れです。 ↑背表紙 後姿もキュート!?
このお話は、ロシアの物語で鶏の足を持った動く家に住む世にも恐ろしい魔法使いのお婆さん「バーバ・ヤガー」に小さな女の子が出くわしてしまうというストーリー。
内容は全く期待しないで買ったのですが、予想以上に楽しめます。
本当に恐ろしい魔女なはずなのに、女の子の要求をやけに素直に受け入れたりと絵本特有の微笑ましい場面も。絵本の世界に引き込まれてあっという間に読んでしまいました。中身の版画風の絵も気に入りました。

↑一番気に入った絵。ロシア独特のお城が見事に表現されています。またロシアに行きたい!

↑森の中を魔女の小屋が歩く様子。とてもかわいらしい。「ハウルの動く城」もここから霊感を得たのであろうか!?
この歳になって子供がいるわけでもないのに絵本を買うとは思ってもいませんでしたが、大人になってから読んでみると、自分が忘れかけていたもの=「純粋な心」をはっと思い出させられ、とても心が温かくなりました。
子供にとっては絵本というのは豊かな心を育てるためにも本当に大切なものなのだなぁと思いました。
これは子供にレッスンしていてもよく思うことです。
ところで皆様には思い出の絵本はありますか?
僕の童心に強烈な印象を与えてくれたのは「キャベツくん」という絵本です。よく親に読んでもらって大笑いしていたのを未だに忘れることができません。ご存知の方いらっしゃいますでしょうか?(笑)
世間では本日はおめでたい日のようですが、今回は自分にとって無縁な行事を忘れさせてくれる素晴らしい本に出会うことができました。(笑)
いやぁ。絵本って本当にいいもんですね!

追記:↓ムソルグスキーの「バーバ・ヤガー」の元となったといわれている絵です。絵本と比べていかがでしょう?

そのタイトルはといいますと・・・
「バーバ・ヤガー」です。(笑)
ご存知「展覧会の絵」の9曲目を飾る超有名曲の標題でもありますが、ネットで何となく検索してみたところ、この絵本の表紙に一目ぼれ。在庫僅少ということで即、紀伊国屋本店で買ってきました。


↑表紙 強烈なインパクトに一目惚れです。 ↑背表紙 後姿もキュート!?
このお話は、ロシアの物語で鶏の足を持った動く家に住む世にも恐ろしい魔法使いのお婆さん「バーバ・ヤガー」に小さな女の子が出くわしてしまうというストーリー。
内容は全く期待しないで買ったのですが、予想以上に楽しめます。
本当に恐ろしい魔女なはずなのに、女の子の要求をやけに素直に受け入れたりと絵本特有の微笑ましい場面も。絵本の世界に引き込まれてあっという間に読んでしまいました。中身の版画風の絵も気に入りました。

↑一番気に入った絵。ロシア独特のお城が見事に表現されています。またロシアに行きたい!

↑森の中を魔女の小屋が歩く様子。とてもかわいらしい。「ハウルの動く城」もここから霊感を得たのであろうか!?
この歳になって子供がいるわけでもないのに絵本を買うとは思ってもいませんでしたが、大人になってから読んでみると、自分が忘れかけていたもの=「純粋な心」をはっと思い出させられ、とても心が温かくなりました。
子供にとっては絵本というのは豊かな心を育てるためにも本当に大切なものなのだなぁと思いました。
これは子供にレッスンしていてもよく思うことです。
ところで皆様には思い出の絵本はありますか?
僕の童心に強烈な印象を与えてくれたのは「キャベツくん」という絵本です。よく親に読んでもらって大笑いしていたのを未だに忘れることができません。ご存知の方いらっしゃいますでしょうか?(笑)
世間では本日はおめでたい日のようですが、今回は自分にとって無縁な行事を忘れさせてくれる素晴らしい本に出会うことができました。(笑)
いやぁ。絵本って本当にいいもんですね!


追記:↓ムソルグスキーの「バーバ・ヤガー」の元となったといわれている絵です。絵本と比べていかがでしょう?

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2007.02.10 (Sat)
Leif Ove Andsnes Piano Recital
もう一昨日になってしまいますが、ノルウェー出身で人気急上昇中のピアニスト、レイフ・オヴェ・アンスネスのリサイタル(2007.2.8 19:00開演)をオペラシティのコンサートホールで聴いてきました。

彼の演奏はバルトークのピアノコンチェルト2番のCDでしか聴いたことなかったのですが(1番はツィメルマンが担当)、CDの印象でセンスが非常に良さそうだったので生で聴いてみたいピアニストの1人でした。
プログラムは以下の通り。
前半
グリーグ:ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード g-moll,Op.24
シューマン:4つの作品 Op.32
第1曲 スケルツォ
第2曲 ジーグ
第3曲 ロマンス
第4曲 フゲッタ
ベートーヴェン:ピアノソナタ第32番 c-moll,Op.111
後半
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
このプログラムを見て僕の目的がお分かりの方も多いかと思いますが・・・(笑)
今回の座席は、よく言えば音響重視、悪く言えば様子見ということで一番安い3階席の左側です。二列目だったので思いのほか見辛い・・・
しかも左隣が一見書道家風の白髪まじりのおじさま。一瞬嫌な予感がしましたが、もしかしたら音楽界の大御所かも知れないということで気にしないことにしました。
客の入りはまだそこまで知名度が高くないのか、全体的にステージに向かって右側は空席が目立ちましたが、トータルで見れば8割くらいは入っていたかもしれません。
そんなこんなでアンスネス御本人の登場です。北欧出身ということでやはり背は高め。さわやかな笑顔で弾く前から好印象です。
まずはグリーグのバラード。初めて聴く曲ですが彼の端正な音の出し方が、ロマンティックであるけどどこか冷たい北欧独特の空気と非常にマッチしている気がしました。
弾き始めて5分くらい経ったあたりでしょうか。
左から
「ぐ~、ぐ~~・・・」
と聞こえてきました。
『やっぱり・・・しかも1曲目から・・・
』
嫌な予感が的中です。左にいたおじさまはクラシックの大家ではなさそうでした。ここからはとにかくイビキの音量が増幅しないことを祈るのみでした。
話は戻ってマイナーなこの曲、何気に最後の方は難しそうです。しかし彼の弾き方は非常に無駄が無く、体もほとんど動かしません。難所もあっさり弾いてのけておりました。非常に冷静な印象。時計を見ると既に19時半過ぎ。長い曲だ・・・
続いてのシューマンもマイナーな曲。マイナーながらもシューマン独特のリズム・和声使いが随所に見られました。一瞬「クライスレリアーナ」を思い出すような箇所も。ルバートも控えめで僕好みです。
2曲聴いた時点で率直に「上手い!」。
続いてベートーヴェンの最後のピアノソナタです。
これも予想通り正統派の演奏。無駄なルバートが一切ありません。細かい音符もよく粒がそろっており非常に丁寧です。弱音も美しい。2楽章の弱音トリルも上手い!!そのまま天国に召されるかと思いました。
前半終了の時点でブラヴォーの声が上がります。個人的にももう大満足してしまい、危うく帰ってしまうところでした。
なんていうのは冗談ですが、後半は僕の一番の目的でもあった「展覧会の絵」です。
まずは「プロムナード」。落ち着いたテンポ、メゾフォルテくらいで弾き始めます。アーティキュレーションも面白い。
しかし、少し進んだ時点で違和感を覚えます。プログラムには何も書いていなかったので当然原典版使用だと勝手に思い込んでいましたが「原典版でこんなに左手の和音が分厚かったっけ??」と疑問に思うようになります。
その疑問が解決するには時間はかかりませんでした。プロムナードのコーダ直前の「ソ~ファ~」の両手のオクターヴをそれぞれ1オクターヴ上で高らかに歌い上げるのは、そう、あの超絶「ホロヴィッツ版」しかありません。
これは嬉しい誤算でした。(笑)真面目そうなアンスネス氏がお祭り騒ぎを起こすホロヴィッツ版で弾いてくれるとはこの後もますます楽しみになります。
続く「地底の小人」は8割方がホロヴィッツ版採用という感じでしょうか。ホロヴィッツほどの破壊的な爆音は使用せず、あくまでも全てをコントロールした印象です。
その後もホロヴィッツ版6割、原典版4割程度の配合で織り交ぜていました。どこを原典版で、どこをホロヴィッツ版で、どこをどちらでもなくアンスネス版で弾いたのか全て解説していたらキリが無いので省かせて頂きます。詳細に知りたい方は個人的に口頭で説明させて頂きます。(笑)
演奏レヴェルとしては文句のつけようのない高い完成度でブラヴォーが出て当然でした。
しかし個人的には「下品な」ホロヴィッツ版で弾くのであれば、それに徹底してもうちょっと羽目を外して欲しかったというのが正直なところでしょうか。(ここでいう「下品」は肯定的な意味です。)
キエフの大門の途中やコーダ部分の「アンスネス版」とも言えるアレンジも和声処理の平凡さに若干の不満が残りました。アレンジ能力ではホロヴィッツやシフラ、ヴォロドスの方が上なのは確実なようです。
遠い席で聞いたせいもあり彼のその冷静さが妨げとなって彼の音楽に100%没頭できない自分が居ました。
でもこれは演奏路線の問題でアンスネス氏に求めても仕方ないということですね。近くの席で聴いたらまた印象が違ったかも知れません。アンスネス氏がホロヴィッツを好んでいるとわかっただけでも大きな収穫といえます。(笑)
ブラヴォーの連発と大きな拍手は鳴り止まずアンコールへ突入。
モンポウ:湖
リスト:即興的ワルツ
グリーグ:抒情小品集第1集op.12より
6.ノルウェーの旋律
5.民謡
どれも絶品でしたが中でも好きだったのがリストの即興的ワルツです。細かい音符がキラキラしていてリズム感も素晴らしい。幸せな気分になれました。
終演後のホール前には長~い列が・・・
ヴォロドスの時同様、また全員にサインして腕痛めないのかなーなんて心配しながら、自分も少し欲しいのは我慢して会場を後にしました。(笑)
アンスネス氏も僕のお気に入りピアニストに追加決定です。
数年前の自分だったら確実に狂信者になってしまっていると思うほど素晴らしいピアニストだと思いましたが、自分の好みも変わるものなんだなーとしみじみ感じました。
そして手が大きいピアニストは羨ましいと毎度のように思うのでした。
(彼はド-ミ♭-ソ-ミ♭の和音を余裕で掴んでいます。ド♯-ミ♯は届かないようなのでホロヴィッツよりは小さいようです。)
今度はアンスネスのショパンやラフマニノフを聴いてみたいです!!
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僕の弾く超絶ホロヴィッツヴァージョンの「展覧会の絵」のチケットをまだお求めで無い方はこちらへお急ぎ下さい!!


彼の演奏はバルトークのピアノコンチェルト2番のCDでしか聴いたことなかったのですが(1番はツィメルマンが担当)、CDの印象でセンスが非常に良さそうだったので生で聴いてみたいピアニストの1人でした。
プログラムは以下の通り。
前半
グリーグ:ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード g-moll,Op.24
シューマン:4つの作品 Op.32
第1曲 スケルツォ
第2曲 ジーグ
第3曲 ロマンス
第4曲 フゲッタ
ベートーヴェン:ピアノソナタ第32番 c-moll,Op.111
後半
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
このプログラムを見て僕の目的がお分かりの方も多いかと思いますが・・・(笑)
今回の座席は、よく言えば音響重視、悪く言えば様子見ということで一番安い3階席の左側です。二列目だったので思いのほか見辛い・・・
しかも左隣が一見書道家風の白髪まじりのおじさま。一瞬嫌な予感がしましたが、もしかしたら音楽界の大御所かも知れないということで気にしないことにしました。
客の入りはまだそこまで知名度が高くないのか、全体的にステージに向かって右側は空席が目立ちましたが、トータルで見れば8割くらいは入っていたかもしれません。
そんなこんなでアンスネス御本人の登場です。北欧出身ということでやはり背は高め。さわやかな笑顔で弾く前から好印象です。
まずはグリーグのバラード。初めて聴く曲ですが彼の端正な音の出し方が、ロマンティックであるけどどこか冷たい北欧独特の空気と非常にマッチしている気がしました。
弾き始めて5分くらい経ったあたりでしょうか。
左から
「ぐ~、ぐ~~・・・」
と聞こえてきました。
『やっぱり・・・しかも1曲目から・・・

嫌な予感が的中です。左にいたおじさまはクラシックの大家ではなさそうでした。ここからはとにかくイビキの音量が増幅しないことを祈るのみでした。
話は戻ってマイナーなこの曲、何気に最後の方は難しそうです。しかし彼の弾き方は非常に無駄が無く、体もほとんど動かしません。難所もあっさり弾いてのけておりました。非常に冷静な印象。時計を見ると既に19時半過ぎ。長い曲だ・・・
続いてのシューマンもマイナーな曲。マイナーながらもシューマン独特のリズム・和声使いが随所に見られました。一瞬「クライスレリアーナ」を思い出すような箇所も。ルバートも控えめで僕好みです。
2曲聴いた時点で率直に「上手い!」。
続いてベートーヴェンの最後のピアノソナタです。
これも予想通り正統派の演奏。無駄なルバートが一切ありません。細かい音符もよく粒がそろっており非常に丁寧です。弱音も美しい。2楽章の弱音トリルも上手い!!そのまま天国に召されるかと思いました。
前半終了の時点でブラヴォーの声が上がります。個人的にももう大満足してしまい、危うく帰ってしまうところでした。
なんていうのは冗談ですが、後半は僕の一番の目的でもあった「展覧会の絵」です。
まずは「プロムナード」。落ち着いたテンポ、メゾフォルテくらいで弾き始めます。アーティキュレーションも面白い。
しかし、少し進んだ時点で違和感を覚えます。プログラムには何も書いていなかったので当然原典版使用だと勝手に思い込んでいましたが「原典版でこんなに左手の和音が分厚かったっけ??」と疑問に思うようになります。
その疑問が解決するには時間はかかりませんでした。プロムナードのコーダ直前の「ソ~ファ~」の両手のオクターヴをそれぞれ1オクターヴ上で高らかに歌い上げるのは、そう、あの超絶「ホロヴィッツ版」しかありません。
これは嬉しい誤算でした。(笑)真面目そうなアンスネス氏がお祭り騒ぎを起こすホロヴィッツ版で弾いてくれるとはこの後もますます楽しみになります。
続く「地底の小人」は8割方がホロヴィッツ版採用という感じでしょうか。ホロヴィッツほどの破壊的な爆音は使用せず、あくまでも全てをコントロールした印象です。
その後もホロヴィッツ版6割、原典版4割程度の配合で織り交ぜていました。どこを原典版で、どこをホロヴィッツ版で、どこをどちらでもなくアンスネス版で弾いたのか全て解説していたらキリが無いので省かせて頂きます。詳細に知りたい方は個人的に口頭で説明させて頂きます。(笑)
演奏レヴェルとしては文句のつけようのない高い完成度でブラヴォーが出て当然でした。
しかし個人的には「下品な」ホロヴィッツ版で弾くのであれば、それに徹底してもうちょっと羽目を外して欲しかったというのが正直なところでしょうか。(ここでいう「下品」は肯定的な意味です。)
キエフの大門の途中やコーダ部分の「アンスネス版」とも言えるアレンジも和声処理の平凡さに若干の不満が残りました。アレンジ能力ではホロヴィッツやシフラ、ヴォロドスの方が上なのは確実なようです。
遠い席で聞いたせいもあり彼のその冷静さが妨げとなって彼の音楽に100%没頭できない自分が居ました。
でもこれは演奏路線の問題でアンスネス氏に求めても仕方ないということですね。近くの席で聴いたらまた印象が違ったかも知れません。アンスネス氏がホロヴィッツを好んでいるとわかっただけでも大きな収穫といえます。(笑)
ブラヴォーの連発と大きな拍手は鳴り止まずアンコールへ突入。
モンポウ:湖
リスト:即興的ワルツ
グリーグ:抒情小品集第1集op.12より
6.ノルウェーの旋律
5.民謡
どれも絶品でしたが中でも好きだったのがリストの即興的ワルツです。細かい音符がキラキラしていてリズム感も素晴らしい。幸せな気分になれました。
終演後のホール前には長~い列が・・・
ヴォロドスの時同様、また全員にサインして腕痛めないのかなーなんて心配しながら、自分も少し欲しいのは我慢して会場を後にしました。(笑)
アンスネス氏も僕のお気に入りピアニストに追加決定です。
数年前の自分だったら確実に狂信者になってしまっていると思うほど素晴らしいピアニストだと思いましたが、自分の好みも変わるものなんだなーとしみじみ感じました。
そして手が大きいピアニストは羨ましいと毎度のように思うのでした。
(彼はド-ミ♭-ソ-ミ♭の和音を余裕で掴んでいます。ド♯-ミ♯は届かないようなのでホロヴィッツよりは小さいようです。)
今度はアンスネスのショパンやラフマニノフを聴いてみたいです!!
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