FC2ブログ
2019年09月 / 08月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫10月

2006.12.10 (Sun)

アルカディ・ヴォロドス ピアノリサイタル@彩の国さいたま芸術劇場

12月9日(土)雨 最高気温7度・・・
寒い!!こんな悪条件の中、僕の大好きなピアニストの1人であるアルカディ・ヴォロドス(Arcadi Volodos)を聴いてきました。


Arcadi Volodos



このリサイタルは中村紘子氏が音楽監督を務めるTHE 100 PIANISTSというシリーズの98人目としてヴォロドスが招聘されたようで、最初に中村紘子氏のトークで始まりました。

中村女史の「ヴォロドスさんはようやく時差ボケが取れて絶好調らしいです。」「有名なトルコ行進曲のヴォロドス編より凄いものが聴けるかも」という言葉に客席からもどよめきと、期待の声が上がりました。

プログラムは、
前半が、
シューベルト:楽興の時、Op.94 D.780より第1曲、第2曲、第5曲
         ピアノソナタ第11番へ短調、D.625


後半が、
リスト:『巡礼の年 第1年 スイス』より「オーベルマンの谷」
     『巡礼の年 第2年 イタリア』より「物思いに沈む人」
     『2つの伝説』より「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」
     『詩的で宗教的な調べ』より「葬送」


でした。
話は前後しますが、僕がこのピアニストを最初に知ったのは数年前、まさにその有名なトルコ行進曲の映像を見たときに度肝を抜かれ、その後いくつかCDを購入したのですが、実は初めて生で聴いたのは丁度1年位前、去年の11月のワルシャワでのリサイタルででした。
その時のプログラムも前半シューベルト、後半リストで、約半分が今回と同じプログラムだったのですが、プログラム最後のハンガリー狂詩曲13番のヴォロドス編を弾き終えた時点で既に会場は半狂乱状態、その後アンコールでもヴォロドスはエンジン全開のお祭り状態で、観客ももうただただ笑うしかなく、全員スタンディングオヴェイションのとんでもないリサイタルを聴いてしまったのです。

1年ぶりのヴォロドスとの再会!!

期待に胸が高鳴る中、ヴォロドスが入場します。
去年と変わらず風船のようなお腹は健在。去年のほうが太っていたように見えました。(笑)

前半のシューベルトはまったく無駄の無い正当派の音楽でした。
ワルシャワ公演と同様、特に弱音で魅せてくれました。
本当にかすかな音のpppまで見事なコントロールと集中力で観客を惹きつけます。
そして地味に弾きにくいシューベルトの瞬間的な跳躍も相変わらずお見事!
ソナタに入るとヴォロドスもリラックスしてきたのかピアノも大分鳴り出してきて音の幅が一気に広がります。
終楽章の難所もなんのその。かといって技巧を必要以上に見せることはなく非常に好感が持てます。
前半はやはり弱音がとにかく美しかったです。歌い方も上手い!!
前半終了の時点で早くもブラヴォーの声があがりました。

そしてメインともいえるオールリストの後半に突入。

まずは「オーベルマンの谷」・・・

僕はこの曲を弾いたことがないのですが、ワルシャワ公演のときから疑問に思ってたので今回はより念入りに聞いてみると。。。

やはり後半から原曲と違う!!(笑)

明らかに恐ろしく難しいパッセージやらオクターヴの激しい連打、中間声部で歌いつつピアノの最上部と最下部で伴奏(1人3役)の大爆発・・・
どうもホロヴィッツが編曲したものが元になっているようですが、ヴォロドス自身もアレンジしていると思われます。

いきなりやってくれたか~と思いつつ、「物思いに沈む人」では静寂を取り戻します。

「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」は弱音ペダルに乗せたトリルがきらきら美しい。本当に小鳥がさえずっているような錯覚に陥りそうでした。

そして最後の「葬送」・・・
出だしは大胆にも1つのペダルで10数小節伸ばしっぱなしにしていました。それがホールの残響と見事に溶け合って非常に効果的でセンスの良さが光ります。
リストの「葬送」といえば思い出されるのが、中間部の左手の連続オクターヴが難所として有名ですが、ヴォロドスは待ってましたとばかりに全開モードに突入!
ただし変にアチェルランド(だんだん速くする)したりするのではなく、一定の速めのテンポを保ちつつ両手のオクターヴの跳躍も減速することなく頂点まで一気に突き進みます。
そこからのテーマの行進はとにかくスケールが大きい!
終結部も徐々に残響を消していくペダリング等、細部までのこだわり、そして何よりリストへの敬意が感じられる素晴らしい演奏でした。

お待ちかねのアンコールは・・・

1.リスト:ノクターン「夢の中に」
2.J.S.バッハ=リスト編「泣き、嘆き、憂い、おののき」による前奏曲
3.リスト=ホロヴィッツ=ヴォロドス編:ハンガリー狂詩曲第15番「ラコッツィ行進曲」
4.スクリアビン:「舞い踊る愛撫」Op.57-2
5.マルチェッロ=バッハ編 :オーボエ協奏曲 第2楽章から


やっぱり一番盛り上がったのが3のラコッツィ行進曲でした。(笑)
とにかくピアノの鍵盤をフル活用し、とてつも無く難しいアレンジに仕上がっているのですが、ヴォロドスにはまだまだ余裕さえ感じられ、最後はワルシャワで弾いた時とはまた違うアレンジをアドリブで入れているようでした。
さいたま芸術劇場のお客さんはとてもマナーが良いため、スタンディングオヴェイションは起こりませんでしたが、ヴォロドスご本人はとてもご満悦の表情。
胸に両手をあてる仕草はワルシャワでは見られなかった光景で新たなパフォーマンスでしょうか。(笑)

最後のマルチェッロが終わっても観客の拍手が鳴り止むことがなく、「もっと弾いて!!」とアピールしますが、会場が明るくなってしまい、残念ながらここで終了。

その後サイン会があったようで長打の列が。。。本当に全員にサインしたのだろうか・・・サインするだけで腱鞘炎になってしまいそうな数の人が並んでいました。

ヴォロドスさんお疲れ様でした、そして素晴らしい演奏をありがとう!!
今現在、世界的に見てもこれだけのピアニストはそういないと思います。皆様もいつかお聴きになることを強くオススメします。

思い出すとまだまだ興奮冷めやらないところですが、気づいたらこんな時間・・・
本当はもっと細かく語りたいのですがキリが無いので・・・

最後までお読みいただきありがとうございました。


にほんブログ村 クラシックブログへ
音楽ブログランキング

タグ : アルカディ・ヴォロドス 彩の国 中村紘子 volodos

EDIT  |  04:40  |  コンサート鑑賞  |  TB(0)  |  CM(13)  |  Top↑

Comment

読んでるだけで興奮しそう..
ヴォロドスはやってくれたのですねぇ~。それで、どうしてあんな風に弾けちゃうって言ってた?Yumaクンにこっそり教えてくれた?w
ワルシャワにも来い来い!! 来て,ヴォロドスさん..。
miki |  2006.12.10(日) 08:23 |  URL |  【コメント編集】

♪ヴォロドス、次回ワルシャワ降臨の件

残念ながらサイン会の列があまりにも長かったため、突撃インタヴューは断念しました。(笑)
去年ワルシャワに来たからね~、次いつ来るかな。。。
ひょいって飛んで来るかもしれないからフィルハーモニーのスケジュールは要チェックです!
ちなみにヴォロドスは欧州での公演の方がより爆発度が高いと感じました。
やはりコンディションとモチベーションが違うんでしょうかね。
Yuma |  2006.12.10(日) 12:00 |  URL |  【コメント編集】

なかなかなさそうなリサイタルだねっ!楽しそ~!
私もいつか行ってみたいですっ!!
ちなみに、最近演奏会で寝てしまう事はなくなりました。最近かよ。。みたいなね。
るり |  2006.12.10(日) 18:58 |  URL |  【コメント編集】

♪演奏会での居眠りについて。

前半のシューベルトはかなり渋めで一般の人には馴染みの薄いプログラムだった上に、極上のピアノ音がさらに眠気を誘ったのか、曲間や曲中でも時々イビキや寝息が聞こえたよ。(笑)
最近は大丈夫だと豪語されているるりさんでも寝ずに耐えられたでしょうか!?
今度ヴォロドス氏が降臨するときは情報提供するね!
Yuma |  2006.12.10(日) 21:46 |  URL |  【コメント編集】

♪いいな~

聞いているだけで、うきょーーーってなっちゃいます(o>∀<o)
私も聞きたかったよ・・・。
名古屋まで行っていたのだからその先まで新幹線乗っていってやればよかったよ(;¬_¬)
NAOKO |  2006.12.10(日) 22:17 |  URL |  【コメント編集】

♪ヴォロドス、幻の公演の件。

なおちゃん名古屋にいたの!?
今回のヴォロドス日本ツアーは5日のサントリー、9日のさいたまだけだと思っていたのですが、昨夜色々検索してみたところ、7日に名古屋市内の「しらかわホール」(http://www.shirakawa-hall.com/kouen/061207.html)というところで同じプログラムの公演があったようですね・・・
ニアミスでしたね!Bardzo szkoda!
しかしさいたま公演よりチケットは高いですね^^;さいたまが安すぎ!?
Yuma |  2006.12.11(月) 00:28 |  URL |  【コメント編集】

♪彩の国の音楽会(12/9)

まず傘たてがないホールなんて初めてです。案内の女性がみな無神経にコンコンとかかとを鳴らして歩いている。演奏途中でも平気で入場させている。等等、二度と行きたくないホールでした。…が、ヴォロドスさんのピアノは初体験の私を天国に連れて行ってくれる素晴らしいものでした。
再太(リフトル) |  2006.12.11(月) 13:27 |  URL |  【コメント編集】

♪初めまして。

再太さん、初めまして。コメントしていただきありがとうございます。
僕は2階の中央部に座っていたので、誘導係の動作は気になりませんでした。しかし演奏途中に入場させるのは問題ありですね・・・そして僕も傘(コートも)の置き場所には困っていました。(笑)
帰り際に気づいたのですが、ホール一階の中央入り口手前の向かって右側にクロークがあったようですね。そこでもしかしたら傘も預かって頂けたのかなと思っておりました。
再太さんもヴォロドス氏の名演で昇天されたようで何よりです。
Yuma |  2006.12.12(火) 00:28 |  URL |  【コメント編集】

♪彩の国の音楽会(12/9)つづき

変な愚痴話をとりあげていただきありがとうございます。
等等の内容からもう一つふたつ。
クロークでは連れと二人分のコートを預ける時に訊ねてみたのですが、傘はそのまま(もちろんビニール袋に入れて)持込み、座席の下に置けと云われました。席は2階の右側でしたが乗り出すか立ち上がらない限りヴォロドスさんどころかステージの端っこしか見えませんでした。…しかししかし、あの演奏とアンコールの凄さにはいやなことすべてを忘れてしあわせ気分いっぱいに小雨の中、アイアイ傘で帰宅したのでした。
再太(リフトル) |  2006.12.13(水) 17:49 |  URL |  【コメント編集】

♪初めまして。つづき

追加コメントをありがとうございます。
クロークではコートのみでしたか。となると今まで本当に傘立てが無かったのですね・・・スタッフの人達は不便に思わなかったのでしょうか(^^;
欧州のホールでは原則的に傘はもちろん、少し大きめの荷物でさえも持ち込み不可能な場合が多いのですが。。。
個人的にあのホールは気に入ってるので、今後のコンサートの日には晴天になることを祈るばかりです。
それはさておき、皆を幸せにしてしまうヴォロドス氏に改めて敬服いたします。今後の活躍に期待しましょう♪


Yuma |  2006.12.13(水) 22:48 |  URL |  【コメント編集】

♪逃した

かのヴォロドス先生、お見えになってたいたんですね。外してしまい凹んでます。日本で聞けるはず、というゆま君の言葉を胸に、チケットびあのサイトで公演案内が来るようオーダーしていたのに…。ラコッツィは是非聞いてみたかった。
 |  2006.12.15(金) 20:11 |  URL |  【コメント編集】

♪name

↑コメント入力したのは私です。何故か名前が入力できませんでした。
Tomek |  2006.12.15(金) 20:15 |  URL |  【コメント編集】

♪Tomek 様

コメントして頂きありがとうございます。
Tomek様は当然のごとく5日のサントリーの方に行かれ、昇天されていたのかと思っておりました。
人気急上昇中のピアニストですし、次の来日もそう遠くはない気がします。次回は是非お見逃しなく!!
Yuma |  2006.12.16(土) 22:17 |  URL |  【コメント編集】

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除するのに必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示
 

Trackback

この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック

 | BLOGTOP |